どんどん虫が湧いてきた

夜中のお客さん

冬に引っ越してすぐ、不思議な事がおこりました。夜明かりをつけていると、部屋の中でどこからともなく数匹のカメムシがブーンと明かりめがけて突撃してくるようになったのです。そして日を追うごとにカメムシの数は増えていき、昼夜も問わず出てくるようになりました。屋根裏にも行ってみると窓の内側におびただしいカメムシが…。

一体どこから入ってきたの?

たまりかねて工務店さんに話を聞いてみると、カメムシは数ミリの隙間でも潜り込めるから、窓のパッキンに潜り込んだり玄関から人と一緒に家の中に入って来たりする事もあるとのことでした。

それを聞いて、さすが山の中の家…虫虫天国だな。と思っていたのですが、ある時期から窓辺でカメムシが死んでいることが多くなりました。そして、家の外には、カメムシは少ししか見当たらず、家の中だけやたらと多い事を不思議に思っていました。

どんどん虫が湧いてきた

そして春になり今度は、家のそこら中に『ヤマアリ』が出現するようになったのです。家中を隈なく調べると…ファミリークローゼットのタンスの裏に細かい木屑が沢山落ちていました。床に穴はなく上を見ると、古い梁に空いた穴からせっせと木くずを運び出すヤマアリの姿がみえました。

そしてそれだけに留まらずその後、ヤモリ、ゴキブリ、ムカデなどが現れ、家中のそこかしこでみかけるようになりました。

そのたびに家族みんなで、ガムテープでくっつけて獲ったり殺虫剤を撒いたり、箒で掃き出したり、小さな騒動が毎日のように続きました。

虫たちの家

でもその虫たちは、決まって窓に向かい、弱ったり、干からびて死んでいたりしたのです。それを見てようやく私達は虫たちが外からやってきたのではなく、家の中の、それも古い柱や古い梁の隙間から羽化していた、ということに気付きました。

羽化してみると、快適な虫の住処だったはずの場所が、いつのまにやらエアコンの効いた人の住む部屋の中となっていたのですから、虫たちも外に出ようと必死だったのだろうと思います。

それに気づいた後は、なるべく家の中で生き物をみかけたら外に出してやるようになりました。

普通の古民家リフォームだとそう無い話だと思うのですが、この家は20年以上人が住んでおらず、木や竹に覆われた森の中にあり半ば廃墟のようになっていて、小さな生き物達が雨や風を凌ぐための憩いの家となっていたのです。

なので、後から来た私達のほうが虫たちの家に住まわせてもらっていたようなものです。そう思うと冬眠から覚めた虫たちの方でもずいぶん驚いた事でしょう。

夏の盛りの頃にはもう虫を家の中で見かけることは殆どなくなり、平穏な毎日となりました。引っ越し直後、外から虫が入らないようにと家の外周に虫避けの薬を2周も撒いていたのを思い出して、可笑しくなりました。