自分で塗れた!無臭柿渋塗りで『新しいけれど渋い柱』が完成しました。
柿渋塗料を柱に塗装して防虫・腐敗防止!
今の家を建築することになってまもなく、工務店さんに「柱どうされます?」と聞かれた私達。
私達の家は推定築150年の古民家の柱や屋根を利用してフルリノベーションをすることになっていました。
ただ、家の柱は腐っているものも多く、150年の古い柱と新しく替えたり継ぎ足す真新しい柱が混在することになります。
また構造材の柱が見える真壁(しんかべ)を建物の殆どに採用しています。
すると、柱の色が新旧ちぐはぐになり見た目が悪いそうです。
そこで、工務店さんの提案で柿渋を炭と混ぜて染料を作り、新しい柱に塗ることを提案されました。
柿渋は、柱の色を濃くして元の古い柱の色と馴染ませることができ、さらに柱の防虫・腐敗防止効果があると言われました。
工務店さん曰く前の施主の人達は、工務店さんと一緒に家の柱を全部柿渋と炭で黒く塗ったらしいのです。炭で黒く塗ると、長年煙で燻された柱のようにいい風合いになるそうです。
さらに、自分たちで塗ると人件費がかからずお得だそうで、材料と道具は貸すので自分で塗られませんか?とのことでした。
DIYもしたことのない私達には思わぬ提案でしたが、自分たちが少しでも自分の家づくりに実際に触れられる嬉しさもあり、柿渋塗にチャレンジしてみることにしました。
臭いの少ない!無臭柿渋染料の木材への塗り方は?
当然、柿渋塗など右も左も分からない私達。
工務店さんの作業場で、柿渋塗のレクチャーを受けました。
柿渋というと匂いが強いものが多いようですが、工務店さんがほぼ臭いのないという柿渋を用意してくださいました。実際ほとんど臭いませんでした。
今回は柱塗りに使う材料は、
- 柿渋
- 炭
- ベンガラ
の3つです。
それぞれの材料の配合を少しづつ変えて混ぜ、好みの色合いを探し、最終的にはカキシブ:炭:ベンガラ(4:1:0.25)の割合に落ち着きました。
ちなみにこれはけっこう黒いです。ここはお好みで。
それぞれ計量したものを飛び散っても良いように大きいバケツの中にいれ、工務店さんから借りた業務用ミキサーで混ぜます。振動が凄くてちょっとだけ怖かったです😅
決めの細い布でてるてる坊主を作り混ぜた柿渋を塗る面に擦り付けるように木材に塗っていきます。
当たり前ですが服装は汚れても良いものが望ましいです。服につくと色が落ちません。うっかり普通の服を着てしまい後悔しました😭
塗る方法は、刷毛なども試しましたが布で擦り付ける方法が一番飛び散りにくいです。
さらに、一度色を塗った後乾いたきれいな布で拭き取る「現し(あらわし)」という方法があります。手間がかかり大変ですが木目が美しく浮き出たのでこの方法にしました。
いざ本番!柿渋塗り!新品の柱を黒く塗り替える。
現場につくと大工さんが塗る柱と面にマスキングテープで目印をしていてくださっていました。
細やかな心遣いに感謝しながら、現場を汚さないよう気をつけようと身が引き締まる思いでした。
いざ真新しい柱に柿渋を塗っていきます。
飛び散りやすい場所にマスキングテープや養生テープを貼って慎重に塗っていきます。
すぐ塗れるからと甘く見ていたら、思っていたより数も多く塗るのにもかなり力を使い腕がガクガクになりました。
柱の上部分では力が入らず何度も擦ることになり、思ったより辛い作業であることが初日に判明しました。
それでも味わい深くなる柱を見てなんとか気力を振り絞って何日もかけ頑張りました。
今回は新しい木材と古い柱の断面だけを黒く塗り、古い柱は150年という本物の時を経た自然な風合いや色合いをそのままの色を活かしました。
仕上げにすべての柱に保護オイルを塗って柿渋塗は完成しました!
新しいけれど、渋い。そんな柱が出来上がりました。大満足です。
わが家の色んな柱の色
柱を塗った結果我が家の柱は様々な色をしていますが、みんなの集うリビングに一番それが現れているので紹介します。
上の天井の柱は、この家に元々あった煙に燻されてできた本物の黒い柱です。
横向きの柱はこの家の古い柱で、残りの柱は新しく黒い柿渋塗がしてあります。
張り出した畳コーナーの柱は威圧感が出そうなので黒く塗るのはやめたので唯一、真新しい木の色をしています。
古い木、新しい木、お化粧した木。なんだかごちゃまぜで森の中の洞窟にいるようなお気に入りの空間です。