タケノコの竹害から住宅の敷地を守る技法。竹の地下茎の処理方法を紹介します。
前回は竹林整備の話を書きました。今回はより重大で具体的な話です。
住宅近くに竹林があるなら警戒が必要
タケノコは地下茎を伸ばして勢力を拡大していきます。
地上に竹の姿が見えず安心していても、いつのまにか地下を竹の根っこが這ってくるわけです。
そして、建物のすぐそばにタケノコが発生することがあります。
タケノコは1週間放置するだけで背の高さを越えてきます。
このタケノコがやっかいなのです。
床板も畳も貫く竹の子パワー
冒頭で紹介した画像ですが、あと50センチ横にずれていたら雨樋が壊されていました😅
雨樋が壊されるくらいならまだマシかも知れません。
ごく最近にもこんなニュースがありました。
観音堂の床突き破り…“ど根性タケノコ” 「こんなことは初めて」
もし家の真下にタケノコが生えてきたら、家の床板や畳をも壊されてしまいます。
孟宗竹や真竹は住宅のそばで放置するには危険すぎる破壊力を秘めています。
ちなみに、一応うちは古民家と言いつつも基礎は鉄筋コンクリートです。
即床板が破壊されることはない…と思ってはおりますが…。
竹林の処理方法いろいろ
いくつかの手法がありますので、ご紹介していきます。
溝を掘る
これは「除去」ではありませんが、竹の地下茎から敷地を守る一つの方法です。
孟宗竹・真竹の地下茎は地下50センチメートル程度までの比較的浅い深度で広がっていきます。
ということは、深さ1メートル程度の溝(城のお堀のようなイメージ)を掘っておけば、そこで地下茎を食い止めることができるわけです。
ただし、孟宗竹や真竹は溝のさらに下を這ってくる可能性があります。定期的な確認は必要です。
うちの近所(上記写真)にもこの「溝を掘る」という方法で敷地を守っている方がおられます。
その方はバックホー(ショベルカー)で溝を作っておられました。
地下に壁を作る
これは「溝を掘る」の発展型ですね。
トタン板などの壁になる材料を埋めておくという手法です。
大きな溝も水が溜まったりして邪魔ですからこれも有力だと思います。
このあたりの作業になってくるとDIYでは厳しいかも知れません。
重機で掘り起こして更地にする
住宅地造成やゼロから畑をつくるということであれば、これが最も有力な手法です。
竹林の範囲がはっきりしているなら地下茎をすべて掘り起こしてしまうことで解決できるわけです。
ただ、これは端的な力技ですので、相当な費用はかかりそうです。
また、斜面や法面ではこれは難しいかも知れません。
毎年皆伐して徐々に弱らせる
竹林内の竹をすべて伐採するという手法です。
毎年すべて伐採することで徐々に根が弱っていくという理屈。
ブログ主の家の庭(太い真竹の竹林でした)ではこの手法を採用しています。
毎年ひたすら生えてくる真竹を草刈り機で刈りとり。
年を追うごとにだんだんと竹の太さ・量が小さくなっていっています。
竹の1メートル切り
「現代農業」誌でも何度か特集が組まれ、徐々に知られるようになってきた「竹の1メートル切り」。
真冬に1メートル以上の高さで綺麗に切断しておくと、春に地下から吸い出された養分が漏出して、徐々に地下茎まで枯れるという手法です。
いくつもの実例がありますので、ブログ主も太い孟宗竹を伐採するときは基本的にこれを実践しています。
この手法は当然ながら「すでに竹を伐採済みのエリアには使えない」ことが難点です(また生えるまで待つしかない…)。
ちなみに現代農業のこの号は竹害対策に興味がある方は必携です。ぜひ購入しておいてください。
除草剤を使う
即効性のある手段というと、どうしても除草剤を挙げざるを得ません。
主にグリホサート系除草剤を使います。これについて詳しく紹介していきます。
除草剤で竹・タケノコを枯らす方法
具体的には「竹幹に穴をあけて10〜20mlの原液を注入してガムテープでふさぐ」という作業です。
よくあるご質問 ラウンドアップマックスロード タケの枯らし方は?
このFAQには「竹の子に処理したら?薬液が親株に流れず、竹の子が枯れるだけです。」とあります。
タケノコを2週間ほど放置しておくと、根元のあたりは固く親竹のような強さになってきます。
そこに除草剤を注入しましょう。このやり方なら地下茎にもしっかり効きます。
これで、同じ根っこでつながっているであろうタケノコも枯れてくれます。
うちのご近所の農家の方々もこれが竹駆逐の有力な手段と認識しているようです。
グリホサートについて
タケノコに効く浸透性の除草剤というと事実上グリホサート一択なのが現状かと思います。
しかし、グリホサートというと環境への影響が取りざたされている農薬です。
なので「周辺の土壌や植物へは影響するのか?」という疑問を電話サポートで聞いてみました。
これには、竹幹に注入した場合はその竹の根に吸収されるだけなので周辺の植物や土壌には影響しない、との答えでした。
実際、注入した竹のすぐ隣の植栽は元気いっぱいですし、理屈にはあってると思います。
もちろん販売元なので割り引いて聞く話ではありますが…。
いずれにせよ除草剤は使わなくてすむなら使わないのが一番です。
緊急性のあるごく一部にのみ使うことをおすすめします。
手法を知り使い分けをすることが大事
以上のように、竹林の制圧にはいくつかの手法があります。
これらをうまく組み合わせ、なるべく費用のかからないやり方で「竹とうまくつきあう」ことが大切なのかなと思います。
それでは、ブログ主の敷地ではどのように手法を組み合わせているのか…。
うちには孟宗竹・真竹・淡竹とバラエティ豊かに😅生えています。
文章だと伝えづらいので、また図解版の記事でも書こうと思っています。