大きさ日本一!出雲大社神楽殿のしめ縄を作る「大しめなわ創作館」。しめ縄体験の様子をご紹介。
全長13.6メートル、重さ5.2トン!国内最大級の大しめ縄を作る工房
出雲大社の神楽殿に、日本一といわれる大きなしめ縄が架かっています。
全長13.6メートル、重さ5.2トンという大きさです。
そのしめ縄を作っているのが飯南町の「大しめなわ創作館」です。
伝統と技術を伝える施設「大しめなわ創作館」
古くより、飯南町には出雲大社の分院がありました。
信者や住民が大きなしめ縄作りを行っていた記録が残されています。
その伝統と文化、技術を継承していくために設けられたのが「大しめなわ創作館」です。
平成30年、6年ぶりに、出雲大社神楽殿の大しめ縄が架け替えられました。
その日本最大級のしめ縄を作ったのが「大しめなわ創作館」です。
平成30年、出雲大社大しめ縄奉納
平成30年7月のことでした。
現在の出雲大社神楽殿の竣工後、7回目となる大しめ縄の奉納が行われました。
真新しい大しめ縄が、飯南町から特殊トレーラーで出雲大社へ運ばれました。
人と機材が一体となって、無事にしめ縄を奉納することができました。
大しめ縄の作り方
- 特別品種の田植え
わらにする稲の品種は、背の高い古代米の「赤穂餅」です。
前年5月に田植えをして、実が入らないうちに青刈りして、乾燥・保存します。
- 選別作業
11月から2月にかけて、色のわるいもの、傷んだものを取り除きます。
材料の準備からして、清浄なこだわりが表れています。
- 設計図作り
大しめ縄は、長さ18メートルのわらの束2本をより合わせて作ります。
そのために、きちんと設計図面が作られます。
- 〆の子(しめのこ)作り
大しめ縄に吊り下げる円錐形のわらの束を3個作っておきます。
出雲大社のものは、直径1.7メートル、高さ2.1メートル、重さ300キログラムです。
- 大撚り合わせ
2本の稲わらを撚り合わせて、大しめ縄とします。
総勢80人ほどが、クレーン2台の力を借りて、約5時間かけて1本に仕立てます。
〆の子は、運搬の都合上、現地で取り付けることになります。
- 吊り木選び
神楽殿に大しめ縄を吊るす時の「吊り木」も特別なもの、飯南町産のヒノキが使われます。
根元の太さ65センチ以上で、長さ20メートル以上の真っ直ぐな素材。
平成30年の架け替えには、樹齢150年のヒノキが選ばれました。
しめ縄の展示、販売、そして体験
「大しめなわ創作館」は出雲大社のしめ縄以外にも、全国各地の神社などの依頼も受けています。
珍しいところでは、アラブ首長国連邦のドバイからオーダーがありました。
また、飲食店の店頭ディスプレイ用などの依頼もあります。
しめ縄の起源や使用するわらの種類、特徴、大きな「〆の子」も展示されています。
出雲大社の大しめ縄の制作から奉納までの過程も、写真パネルを使って詳しく紹介されています。
しめ縄の店頭販売
工房で手作りされた、いろいろなスタイルのしめ縄が販売されています。
家庭の神棚で使うしめ縄や、部屋のインテリアにもなる「輪じめ飾り」が人気。
12月になると、お正月用のしめ飾りの販売が始まります。
手作り体験
わらを撚り合わせるところからスタートします。
簡単なものは30分くらい。
少し上級になると1時間くらいの体験時間が必要になります。
初級コース・中級コース・デコレーションコースの3コースがあります。
体験担当の職員さんが、ていねいに教えてくれます。
午前の部・午後の部の1日2回開催。個人は予約不要です。
(12月は繁忙期になるので、体験コースはありません)
→ しまね観光ナビ 公式サイト(出雲大社の大しめ縄作り)
※現在は感染予防のため体験はお休みです。詳細は公式サイトをご確認ください。
「出雲神話街道」をちょっと寄り道
松江市と広島市を結ぶ国道54号が「大しめなわ創作館」の前を走っています。
この道路は、神々のゆかりの地を通る道路として、「出雲神話街道」と呼ばれています。
沿線町村には、いまなお風土記時代の神社などが数多く残っています。
神々の里を走りぬける神話街道
三瓶山と大山に綱を絡めて島根半島を引き寄せたという国引き神話。
須佐之男命(すさのおのみこと)が八岐大蛇(やまたのおろち)を退治する伝説の地も
沿線近くです。
須佐之男命にまつわるの多様な言い伝えが残されています。
魔人を退治するのが「八重山神社」。
大蛇に飲ませた酒を入れた壺の一つが祀られる「八口神社」。
大蛇退治後に新居を構えたと伝えられる「須我神社」も街道近く。
ロマンあふれる神話の世界を垣間見る寄り道も楽しみです。
琴弾山(ことびきやま)神社
大国主命が山腹の洞にすみ、琴を弾いたと出雲国風土記が伝える神社が飯南町にあります。
山頂近くに、立ち割ったような巨岩があり、石段を昇りつめると社殿があります。
神社は大国主命を祀っています。
頓原(とんばら)ラムネ銀泉
鉱泉水に大量の炭酸ガスを含む日本有数の炭酸泉で、美肌の湯とも呼ばれるさわやかな温泉。
入浴中はややひんやり感がありますが、炭酸ガスが血行を刺激し、入浴後はぽかぽかするのが特長です。
道路沿いにシンボルの水車が見えます。
その蛇口から出ているのがラムネ銀泉の源泉です。
持参の容器で持ち帰ることもできますが、飲用ではありません。
「大しめなわ創作館」から2.1km、車なら5分のところです(木曜定休)。
大しめなわ創作館のアクセス・駐車場
自動車のアクセスが前提の場所ですので、駐車場は十分な数が用意されています。
年末年始を除いて無休ですが、感染予防のために休業していた時期もあるようですので、公式サイトを確認のうえお出かけになるのが良いでしょう。