八重垣神社の「鏡の池」を体験。森の奥深くのスピリチュアルな空間で縁結び占い。
島根県松江市にある『八重垣神社』は、縁結びパワースポットの中でも「八岐大蛇(ヤマタノオロチ)」神話ゆかりの縁結びの神社です。
松江市の中心市街地から南へ車で15分程度、八雲台を超え、さらに坂を上った場所にあります。
祭神は素戔嗚尊(スサノヲノミコト)と櫛名田比売(クシナダヒメ)の夫婦神。神話では八岐大蛇に食べられそうになっていた櫛名田比売を素戔嗚尊が退治し、八重垣の地で結ばれたと言われています。
神話の中の神々は、実は親の許可を得ず結婚していることが多いそうです。
しかし『八重垣神社』で結ばれた素戔嗚尊と櫛名田比売は、親神の許可を得て正式に結婚している夫婦神で、現代の結婚の形の元となったと言われているそうです。
縁結びのパワースポットとして全国から祈願者が訪れる所以のひとつです。
そしてこの八重垣神社が縁結びの神社として人気を集めるもう一つの理由は、神社では自分の縁談や運勢を、ある変わった方法で占うことができるからだそうです。
どういう方法なのか、実際に八重垣神社に行ってみました。
神話の聖地、八重垣神社
八重垣神社境内に足を踏み入ると真っ先に本殿が見えます。
正面からみた『八重垣神社』は、圧倒される大きさの出雲大社などのパワースポットとは違い、こじんまりとしており落ち着きを感じます。
平日にも関わらず参拝者も多く、年齢も子供から大人まで多くの人で賑わっていました。
八重垣神社では2礼2拍手1礼でお参りをする作法のようです。(お賽銭は5円や50円など穴が開いたものが縁起がいいそうです。)
八重垣神社の占いができる鏡の池
参拝が終わって境内の中左手のほうを見ると大きな看板が目に入ります。
鏡の池徒歩2分と書いてあります。
多くの方がそちらのほうに向かって歩いているので、どんな池があるのか行ってみたいと思います。
その前に、鏡の池に行く皆さんがそれぞれ手に紙を持っているのが気になります。
先程の看板にも占い用紙は社務所にと書かれていますのでどうやらこの用紙が未来のご縁を占うのに必須のようです。
境内に向かって右手側にお札やおみくじなどを販売している社務所があるので、どうやらみなさんそこで占い用紙を買っているようでした。
和紙でできた“縁占い”とある紙は1枚100円でした。
神社の社務所や神札授与所の空いている時間は時季によって変わるようなので、せっかく来ても授与所が閉まっていれば占いができません。事前に時間を調べてから、特に寒い時期は早めの時間帯の参拝をお勧めします。
さっそく“縁占い”の紙を買って、いざ鏡の池へ向かってみます。
八重垣神社から徒歩2〜5分鏡の池への楽しい時間と『佐久佐女の森』
境内から鏡の池に向かうには木に覆われた石の階段を登ります。
この日は生憎の雨でしたが、鏡の池に向かう道のりは自然を楽しみながら歩けました。
その先にある時代劇に出てくるような木の橋を超えると『佐久佐女(さくさめ)の森』という森に入ります。
森の地面は沢山の苔で覆われており、周囲と比べて温度が低くなっているのが肌で感じられます。
『佐久佐女の森』は、素戔嗚尊は八岐大蛇から櫛名田姫命を守るために、隠した場所と伝えられています。
木の橋を越え、鏡の池への立て札を見つけたら案内のとおりに小道を進んでいきます。
この小道には竹垣と大木が立ち並び周囲が囲われているためか非常に静かで、あたりには神秘的な雰囲気が漂っています。
細い小道をたくさんのカップルが列をなして行き交っていました。
鏡の池の方から戻ってきたカップルの方々は幸せそうに笑顔で何やら話していたのが印象的でした。
良縁を占う鏡の池
小道からもう少し進んでいくと、鏡の池に到着しました。
雨で足元が悪かったのと景色を楽しみながら歩いていたので境内の案内標識から鏡の池まで大体5分くらいかかりました。
到着した人は、いよいよ占える嬉しさか、みんな絶えず笑顔が広がっています。
雨の中たくさんの人が順番を待っていました。
私も列に加わって順番を待つことにしましたが、ここで二つ疑問が湧きました。
何で”鏡の池”という名前なんだろう。そしてこの”半紙”は一体に何に使うのか。
そう思っていると鏡の池について書かれた立て札を発見しました。
身を隠した櫛名田姫命が日々喉を潤すため、また鏡の代わりに身を映したのが佐久佐女の森の中にある、この『鏡の池』だそうです。
ご霊魂が底深く浸透していることから縁結びの占いの池として信仰されたようです。
鏡の池で占うのに大切なのは紙の沈む時間と場所!
鏡の池で占いをする作法ですが、
まず半紙の上に10円、あるいは100円をのせ池にそっと浮かせます。
すると半紙にうっすらと、どの方角に良い出会いがあるかどうか文字が浮かび上がってきます。
そして占いはそこで終わりではありません。ここからが大切になってくるようです。
その後、浮かんだ半紙はスーッと音もたてずに沈んでいきますが、近くに沈むか。遠くに沈むか。早く沈むか。ゆっくり沈むか。
一瞬のことなので絶対に目をそらさないでくださいね。👀
早く15分以内に沈んだら結婚は時期が近く、遅く30分以内に沈んだらもう少し時間がかかりそう・・・。近くに沈んだら出会いは結婚は近くにいる人と、遠くに沈んだら遠くの人とご縁がある・・・
そういった意味合いがあるそうです。
そうこうしていると、いよいよ順番が来ました。硬貨を乗せ、紙を浮かべてみます。
薄い紙なので、すぐ硬貨の重さで水に沈んでしまいそうですが、意外と落ちません。
池が森に囲まれており、また池の水も少し下のほう位置している為に水面が波立つことも無く池の水に動きがありません。
そのような池では、池の水は濁りそうなものですが、『鏡の池』の水は澄んだ水色をしています。
写真の紙は、5分程度でやや遠くのほうで沈みました。
池の奥には櫛名田比売をお祀りしている小さなお社『天鏡神社』があり、池の底には縁結び占いをしに来た参拝者の紙がたくさん沈んで重なりあっています。
皆さんの占う様子を眺めていると、遅く沈んだり遠くに沈んだりする度にワーと声をあげながら半紙の行く末を楽しく見守っているようでした。
皆さん占いの結果に関わらず納得したように笑顔で頷き、次の人のために場所を空けてあげていたのがのが、何ともほほえましい光景でした。
カップルで松江市に立ち寄った際にはぜひとも訪れていただきたいスポットの一つです。
『鏡の池』では恋愛や結婚に限らず、いろいろな縁や願いの占いもできるとのこと。八重垣神社を参拝する際は、神秘的な森での縁結び占いを、是非体験してみてください。
二本の椿の根元が一本に、夫婦椿
八重垣神社には、『鏡の池』の他にも、複数の縁結びのスポットが存在します。
その内のひとつが「夫婦椿」です。
「夫婦椿」は、根元は二本ですが、上の部分は二本が一緒になり一本になっています。これは、櫛名田比売が立てた二本の椿が一本になり、以後境内で二股の椿が出るようになったからだと言われているそうです。
八重垣神社には3本の夫婦椿があります。
一番大きなものは「連理玉椿(れんりのたまつばき)」と呼ばれ、正面の鳥居から道路を挟んだ反対側にあります。
二つ目夫婦椿は、拝殿の左にあり、「乙女椿」と呼ばれています。大きくどっしりと鳥居の正面に生えている「連理玉椿」と比べると、まだだいぶ小さい印象です。
最後の夫婦椿は、佐久佐女の森の入り口に生えている「子宝椿」です。椿の花が咲く頃になると、同じ場所から複数の椿が出て、沢山の子宝に恵まれているように見えることからこの名が付いているとのこと。
二股というだけでも珍しいのに、境内に3本も生えています。八重垣神社の“縁結び・子宝パワー”がわかりますね。
境内と佐久佐女の森の間には、『グランラセーレ八重垣』という結婚式場も隣接しており、八重垣神社で式を挙げた後に、披露宴も行うことが出来ます。神話の縁結びの地で、パワースポットに囲まれての挙式なんて素敵ですね。
また、八重垣神社ではパワースポットの他、至るところで“歌”が出てきます。
素戔嗚尊も、妻をめとった喜びから、
「八雲立つ 出雲八重垣 妻込めに 八重垣造る その八重垣を」
と歌っており、『八重垣神社』の名はこの歌から取られたと言われているそうです。
神々のパワーを感じることが出来る最強の縁結びパワースポット『八重垣神社』。是非訪れてみてください。
八重垣神社のアクセス・駐車場
- 電話番号:0852-21-1148
- 車で行く場合:専用駐車場があります
- バスで行く場合:JR松江駅より約20分
詳しいアクセス方法や参拝・占い方法は公式サイトをご参考になさってください。