松江城下町の塩見縄手はふらりとお散歩をおすすめ。武家屋敷だけではない魅力を満喫できますよ。

2020年6月8日出雲のスポット

松江城周辺には、かつての城下町の面影が今もなお様々な形で残っています。

そういった歴史の名残を感じながら散歩をするのにお勧めなのが、松江城北側のお堀沿いに位置する『塩見縄手』と呼ばれる地区です。

塩見縄手でゆっくりと松江の歴史を感じよう

塩見縄手は、レトロな景観と雰囲気を味わうことができるスポットではありますが、道路はきれいにアスファルトで舗装されていますし、車も横を通って行きます。

決して作られたレトロ感を楽しむ類の観光スポットではありません。

歴史的な景観や雰囲気と、そこにずっと暮している人々とが、きちんと溶け合っているような印象を受ける地域なのです。

現代的な要素と融合しつつも、塩見縄手ならではの魅力が大切に守られています。

言うなれば、どこか生活感のあるレトロさとでも言えるでしょうか。

塩見縄手の道沿いには、武家屋敷、小泉八雲旧居、小泉八雲記念館などの歴史を感じる建物が、当時のまま連なっています。

そういうところが、塩見縄手ならではの魅力です。

通りを挟んだ反対側には堀川が流れ、川縁から鳥や亀の姿を見ることもできました。

川沿いには曲がりくねった老松が並び、陽を遮って、歩道に枝の形の影を落としています。

時折、その松越しに、『堀川遊覧船』という観光遊覧船がのんびりと通って行くのを眺めることが出来ますよ。

その更に後ろには、松江城周辺の森が濃く広がっています。

観光目的で訪れる人も勿論いますが、混んでいると感じるほど多いわけではありません。

周辺で暮している人が自転車で通ることもありますし、学生服を身にまとった通学生ともすれ違います。

ゆっくりと刻まれていく長い歴史の中の一日が、毎日同じように過ぎていくのです。

そういった塩見縄手ならではの雰囲気を味わいながら、ゆっくりと通りを歩いてみましょう。

ハートのくぐり松

堀川沿いの老松は、時に歩道を横切るように枝を伸ばしているため、枝の下をくぐるようにして通らなければならない箇所があります。

ぐねぐねと成長した太い松を見ているだけでも面白いのですが、こんな形の松を見つけたら、要チェックです。

実は「ハートのくぐり松」と言われている、縁結びスポットなんですよ。

枝の切り口が、ハートに見える部分があるんです。

宝探しをするような気分で、ぜひご自身でハートを見つけてみてくださいね。

必見!『書状集箱』!

郵便ポストも工夫されているんです。

景観に合うように、赤以外の色に塗られていたり、円筒形のレトロなタイプだったり、そういった変わったポストは観光地で偶に見かけますよね。

松江城付近にも、黒いシックなベースカラーに松江城のデザインが描かれている四角いポストが、設置されています。

でも、この塩見縄手にあるポストは、そういったポストとは一味違うんです。

『書状集箱』と書いてあるのが分かりますか?

明治時代のポストを再現したもので、実際にポストとしても使われているんです。

勿論、明治時代のように木製ではありませんが、黒とシルバーのデザインがシャープで、格好良いですよね。

デザインはレトロなのに、材質が近代的です。

塩見縄手そのものもそうですが、このポストも、歴史的なものと現代的なものが暮らしの中で融合している象徴のように感じられます。

こういった棒の上に板と箱を載せたような旧デザインのポストは、実はここで初めて見ました。

こういったものに何気なく出会えるって面白いですよね。

塩見縄手では素敵をたくさん発見できます

その他にも、塩見縄手はさりげなくこだわってあるポイントがたくさんあります。

例えば、ベンチはこんな風に設置してありました。

クラシカルで素敵ですよね。

歩道の屋根部分を見上げると、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)のモチーフが目に入ります。『L.HEARN』という文字と、横顔のレリーフです。

歩き疲れたら、通りを眺めながらお団子を食べたりお蕎麦をすすったりするのも、良いですね。

可愛らしい雑貨屋さんやカフェもあるので、ふらふらと探検気分で散策してみてください。

武家屋敷だけではない塩見縄手の魅力

塩見縄手というと真っ先に武家屋敷が浮かぶ方も多いと思います。

それだけではなく、『松江水燈路』というライトアップイベントや、小泉八雲の曾孫・小泉凡さんによる文豪街歩きイベントなど、シーズンごとに様々な催しも行なわれているようです。

季節によっては紫陽花が咲いていたり、桜が見頃だったり、自然の移り変わりを折々鑑賞するのもおすすめです。

実際に塩見縄手周辺に遊びに行く際には、訪れる時期のイベント情報などを調べてみると、楽しみを増やすことが出来るかもしれません。

春夏秋冬どの季節であっても、塩見縄手をふらりとお散歩すれば、自分だけの素敵を発見できることでしょう。

アクセス・駐車場

塩見縄手は、松江城のすぐ北側です。

自動車で向かう場合は、2020年3月現在、松江市営城山西駐車場が最寄りの駐車場です。

塩見縄手の通り沿いにある武家屋敷や小泉八雲旧居、小泉八雲記念館をはじめとした周辺の観光施設を利用すると、駐車料金が割引になる場合もあるようです。

詳細は松江市交通局のサイトで確認してください。駐車料金についても、同サイトに記載があります。