加島茶舗、日本茶への新しい試み。その伝統と進化。

出雲のスポット

松江市は京都、金沢と並んで『日本三大和菓子処』であり、同時にお茶処でもあります。

『不昧(ふまい)』の号で今でも市民から親しまれている松江藩7代藩主・松平治郷が、大層お茶文化を愛し、藩内に広めたためです。

現在でも松江市民はお茶を愛しており、日常的に飲む習慣を持っています。

昔より減ったとは思いますが、自宅で薄茶をたてて飲むという方も少なくないはずですよ。

薄茶に限らず、煎茶や玄米茶、ほうじ茶などの日本茶は松江人の毎日に溶け込んでいるのです。

古くて新しい、わたしたちのお茶屋さん

そういった歴史を持つ町なので、昔から続くお茶屋さんも何軒もあり、贔屓のお茶屋さんを持つ方もいらっしゃいます。

今回は松江市西茶町にある加島茶舗に行ってみましたので、ご紹介します。

加島茶舗 外観
加島茶舗 外観

1981年創業の加島茶舗。このアンティークな佇まい、痺れますね。

レトロな引き戸を開けると、中国地方で一人しかいないという茶審査技術八段を有する茶師さんが全国から厳選したお茶がずらりと並んでいます。

この加島茶舗は、今まで以上に若い方にもお茶に親しんで欲しいと、様々な新しいアプローチをしています。

古いものと新しいもののミックス感がとても魅力的なんですよ。

古くからの歴史の重みがありながらフレッシュな魅力も備えている、そんな町のお茶屋さんです。

日本茶スタンド

新しい試みの内のひとつがこちら。日本茶スタンドです。

抹茶、ほうじ茶、玄米茶、抹茶ラテにほうじ茶ラテ、なんと抹茶ビールなんて変わり種も飲むことができます。夏期には、かき氷も登場します。

加島茶舗 日本茶スタンド お知らせ看板
加島茶舗 日本茶スタンド お知らせ看板

イートインもテイクアウトも可能ですが、この日は『飲み比べセット』を店内で頂くことにしました。

『飲み比べセット』は、各種煎茶から好きな銘柄を三つセレクトする仕組みです。

銘柄ごとの味のイメージ図を見せて頂いて、自分の好みに合うものを選べます。

加島茶舗 飲み比べセットメニュー イメージ図
加島茶舗 飲み比べセットメニュー イメージ図

色々あって迷いますが、『出雲』を選びあとの二つはお任せでお願いしてみました。

提供頂いたものが、こちらです。

加島茶舗 飲み比べ 左から『松江』『出雲』牧之原』
加島茶舗 飲み比べ 左から『松江』『出雲』牧之原』

こちらでチョイスした『出雲』を中心に、さらりと爽やかな味わいの『松江』と、とろりとコクのある『牧之原』とで組み立てて頂きました。

これらの煎茶を飲み終えたあとは、玄米茶かほうじ茶のいずれかで締めです。

奥に見えるのは、桜餅風味の苺大福。おやつはいつも固定メニューではなく、季節ごとに用意して頂いているようなので、それも楽しみですね。

わくわくしながら頂くと、何よりもまずお茶の香りが良くて感動しました。

適温で淹れられたお茶ならではの甘みや渋みが喉をするすると通っていき、ゆっくりと気持ちが落ち着いていきます。

そう言えばお茶って美味しいんだよな、と再認識すること請け合いです。

また、こうして数種類を飲み比べてみると、銘柄ごとの味の違いや香りの違いも予想以上に感じ取ることが出来て面白いです。

飲み比べることによって、自分の好みのお茶の味についても改めて意識するようになります。茶師に好みを伝えて選んで貰ったお茶を、帰りに購入するのも良いですね。

カフェではコーヒーや紅茶を飲む方が多いかもしれませんが、日本茶も専門店で飲むと美味しさを再確認できます。

お茶はいつも家で飲んでいるからという方も、プロが目の前で淹れてくれる非日常の贅沢も偶には楽しいですよ。

日常の中のお茶というコンセプト

加島茶舗では、日常の暮らしの中でお茶をもっと楽しんで貰うため、暮らしをイメージしたお茶づくりを行っています。

例えば『本を読むときの煎茶』、『くつろぐときの煎茶』、『食事のときの煎茶』など、シチュエーションごとのお茶があるんです。

どれも暮らしの中のシーンにマッチするように、苦味や甘みのバランスが整えられていますし、冷めても美味しいようにあるいは料理の余韻が楽しめるように、工夫してお茶がブレンドされています。

パッケージの手書きイラストが、ほっこり可愛らしくて素敵ですね。

お値段もお手頃なので、ちょっとしたお返しやお礼の時に添えるのもお勧めです。

ホワイトデーの頃には、加島茶舗の向かいの焼き菓子屋さんとコラボして、煎茶と焼き菓子のセットを出していらっしゃいました。

もちろん『焼き菓子のための煎茶』は、バターや小麦の風味に合うようブレンドされた煎茶です。

加島茶舗 並ぶお茶パッケージ
加島茶舗 並ぶお茶パッケージ
加島茶舗 暮らしをイメージしたお茶
加島茶舗 暮らしをイメージしたお茶

その他にも、お茶を題材にした婚活イベントを行なっておられます。

違う産地のお茶を淹れて交換しながら会話をしたり、チョコレートとのペアリングを楽しんだり、利き茶ゲームをしたり、会話の弾みそうな興味深い内容でした。

そういったイベントにも意欲的なところも、加島茶舗から感じるフレッシュさのひとつです。

アクセス・駐車場

加島茶舗は松江市役所の近辺です。

車で向かわれる場合は、土日祝に限り松江市役所駐車場がおもてなし駐車場として解放されますので、そちらを利用されるのが良いと思います。

店舗前にもスペースがありますので、縦列にはなりますが2台までであれば停めても良いそうです。

有料駐車場ですと、茶町商店街振興組合駐車場が最寄りです。地図で確認の上、ご利用ください。

イベントや季節商品の情報、営業日等は、公式サイトをご確認ください。

加島茶舗公式サイト