出雲屈指の景勝地・立久恵峡。そそりたつ渓谷に絶景の露天風呂。

2020年6月13日出雲のスポット

出雲市を流れる神戸川(かんどがわ)の上流に位置する渓谷、立久恵峡(たちくえきょう)。

聞きなれない響きではありますが、特徴的な景観だということで、自然を楽しみに行ってきました。

立久恵峡(たちくえきょう)
立久恵峡(たちくえきょう)

山陰の耶馬渓

高さ100~200mもの奇岩柱石が、およそ1kmにわたってそそり立っているのが迫力満点の景観です。

神戸川を挟んだ道路から離れて見ると、様々な表情の岩壁を眺めることができました。堂々とした岩肌にからんでいる老松古木が、深みのある景色を作り出しており魅力的です。

長い距離なので、車で川沿いに進んでみるのもいいでしょう。ただ、山道でカーブが多く、道が狭いので運転には十分気をつける必要があります。

この景観が、大分県の耶馬渓に似ているということで「山陰の耶馬渓」とも言われています。

山陰の耶馬渓と謂われる立久恵峡
山陰の耶馬渓と謂われる立久恵峡

国の名勝・天然記念物に指定

立久恵峡は、神戸川の浸食と風化で出来たと言われています。岩の風化でひび割れができたところに、雨水の浸食が加わって、小さな谷がたくさんある複雑な地形です。

この一帯は1927年に国の名勝・天然記念物に指定されています。

1964年には県立自然公園ともなっており、「太古の仙境」とたたえられるほど貴重な景色が堪能できる景勝地ですよ。

様々な形の岩があるのでそれぞれに名前がついており、遊歩道のには案内の看板がありました。

写真は撮っていないのでお見せできませんが、ろうそく岩、神亀岩、烏帽子岩、などがあり、見ごたえたっぷりです。ぜひ実物を体験してみてください。

太古の仙境立久恵峡
太古の仙境立久恵峡

見どころいっぱいの遊歩道

立久恵峡の楽しみ方は、そそり立つ寄岩柱石を眺めるだけではありません。

私が訪れたのは梅雨の時期でしたが、神戸川沿いに歩いて行ける遊歩道も魅力的でした。

市内から向かって道路の左側にある駐車場に車を停め、神戸川の方へ歩くと「立久恵峡」の看板と橋(不老橋)が見えてきます。

そこから進んでいくと次の橋(浮嵐橋)が見えてきて、一周できる自然観察モデルコースになっていました。

トイレは他にもありますが、駐車場で済ませてから行くことをおすすめします。

立久恵峡看板
立久恵峡看板

緑に囲まれた中、神戸川や小さな滝を流れる水の音、鳥のさえずりを聞きながらの散歩は癒されます。

川を見れば、岩の上で休んでいる亀を見ることができました。しばらく進むと、泳いでいる亀や他の岩に数匹集まっている亀もおり、自然の中に溶け込んでいる亀を探しながら歩くのも楽しい時間でしたよ。

立久恵峡の川の岩の上で休んでいる亀
立久恵峡の川の岩の上で休んでいる亀

6月だったのでアジサイが綺麗に咲いていました。こうして季節の花をみるのも魅力の一つでしょう。アジサイを登るカタツムリを見つけてテンションが上がりました。久々にゆっくりと梅雨の光景を味わうことができ感動したものです。

立久恵峡に咲く紫陽花とカタツムリ
立久恵峡に咲く紫陽花とカタツムリ

遊歩道では、目の前で岩壁を楽しむことができます。遠目から見る「景色としての岩壁」とは違う表情を感じることができました。また、木々に隠れて見えなかった小さな滝を見たりできるのも自然観察コースの魅力です。

立久恵峡の岩壁を間近で見物
立久恵峡の岩壁を間近で見物
立久恵峡『お里の滝』の謂れが書かれた看板
立久恵峡『お里の滝』の謂れが書かれた看板

迫力ある岩の真横を歩いていくので、自然の偉大さを間近で感じることができます。

立久恵峡の岩肌を間近に歩く
立久恵峡の岩肌を間近に歩く

近くで見る岩肌は、遠目で見せる堂々とした情景とは違います。水が滴り、植物がまとわりつく繊細で優しい表情を見せてくれました。

立久恵峡の岩肌
立久恵峡の岩肌

遊歩道を進んでいくと五百羅漢の前を通ります。ここは、自然だけの空間ではない、違った空気を感じることができました。

それぞれ異なる表情の五百羅漢像には目を奪われますよ。

また、「どのようにして掘られたのだろう」と考え込んでしまうほど、岩肌に掘られた像は感動的でした。

遊歩道から望む立久恵峡の五百羅漢
遊歩道から望む立久恵峡の五百羅漢

古くから存在するのが木彫りの像で、石の像は比較的最近作られたそうですが、どれも存在感があり、1000体近い像に圧倒されました。

もう少し進むと右手に別の道が見えてくるのですが、その道の先にある霊光寺からの眺めもいいと言われています。この時は雨が降っており、断念して立ち寄りませんでした。

散策の途中から小雨が降ってきましたが、山沿いは木々で遊歩道が覆われており、雨を避けながら歩けましたよ。

雨つぶが滴る植物や神戸川の水面も素敵な眺めでした。

立久恵峡の神戸川の水面
立久恵峡の神戸川の水面
立久恵峡川キャンプ場
立久恵峡川キャンプ場

山沿いの遊歩道が終わるころに見えてきたのが、浮嵐橋と川の向こう側のキャンプ場です。

梅雨の時期でしたがキャンプ場を利用されている人がおり、楽しそうな声が響いていました。自然の音だけではない雰囲気を味わうのも良かったです。

橋を渡って折り返すのですが、今度は、川を挟んで先ほど歩いた山側の景色を見て歩くことになります。離れたところから岩壁を眺めることができるので、美しい景観を満喫しながら散策できますよ。眺めを楽しみながら歩いて行くので、あっという間に駐車場に戻りました。

ゆったりと歩き1時間半ほどで戻ってくることができます。

喉が渇くので、遊歩道へ散策に出るときは飲み物を持参していくことをおすすめします。

立久恵峡浮嵐橋
立久恵峡浮嵐橋
立久恵峡山並み
立久恵峡山並み

立久恵峡の自然を眺めて入る天然温泉

渓谷のすぐそばに湧き出る温泉があります。いくつかの日帰り温泉もあるのでぜひ利用してみてください。

今回は予定しておらず散策のみで帰りましたが、今度は温泉や料理も楽しみにまた訪れたいと思いました。

ブログ主には思い出深い宿「八光園」

遊歩道を散策するときに必ず目に入る宿があります。

駐車場から遊歩道に行くまでに通る宿なので、わかりやすい立地です。

こちらでは、温泉だけではなく、出雲ならではの料理もあります。

露天風呂では「雄大な自然が頭上に迫ってくる感覚にとらわれるかもしれない」ほどの迫力を、ぜひ体感してもらえたらと思います。

立久恵峡『八光園』外観
立久恵峡『八光園』外観

実はこの旅館、ブログ主の結婚式の際に宿泊地として利用したことがある宿です。

露天風呂はほんとうに壮観で、夜はライトアップされた渓谷の景色がほんとうに素晴らしいものでした。

宿泊したのは10年近くも前なのですが、渓谷の絶景にはそう変わりはないでしょう。

ブログ主としてはぜひ一度体験してもらいたい宿泊地です。

出雲の隠れ宿八光園公式サイト

立久恵峡へのアクセス

JR出雲市駅から車で15分ほどの距離にあります。自然に囲まれているのですが、意外と市内から近い位置にあるので、出雲への観光の一つにぜひおすすめしたい場所です。

バス停があるのでバスか車でのアクセスになりますが、バスの本数を考えると車で訪れることをおすすめします。

市内から国道184号線沿いに進めば、駐車場や宿が見えてきます。駐車場は市内から向かった場合は左手で、八光園は右手になり、ほぼ向かい合った位置にあるのでわかりやすいでしょう。

出雲観光ガイド立久恵峡