日御碕灯台と日御碕神社、絶景スポットと海鮮丼で日本海を体感できます。
日御碕は島根半島の西部に位置する断崖絶壁の岬です。夕日の絶景地としても知られていて、出雲の神々しさを感じられる場所と言えるでしょう。
島根にあった日本一!青空に映える日御碕灯台
出雲で有名と言えば出雲大社ですが、出雲大社にも劣らない日本一があります。
今回は、日本一の灯台「日御碕(ひのみさき)灯台」へ行ってきました。
出雲大社の背中を守る位置にある出雲市大社町日御碕には、日本一の高さを誇る灯台があります。
日御碕灯台は「世界の歴史的灯台100選」「国の登録有形文化財」に選ばれている、日御碕のシンボルです。
友人の勧めで行ってみたのですが、灯台を拝むまでに300段の階段がありました。
登りきった先には、白くそびえ立つ灯台が目の前に現れます。手入れが行き届いている真っ白な外観は、青空とのコントラストが絶妙でした。写真映えもするので、いろいろなアングルから写真におさめることをおすすめします。
日御碕灯台は、参観料200円を支払うことで灯台の展望台に登ることが可能です(2019年現在)。灯台の内部は163段の螺旋階段になっており、登っていくことに変わっていく景色を眺めることができます。ぜひ挑戦してみてください。
最上階まで登ると、360度開放されているバルコニー部分に出ることができます。手すりしかないので怖い気持ちがわきあがる反面、海から吹き付けてくる風を体中でダイレクトに感じながら日本海を一望でき、とても感動的でした。
灯内は螺旋階段上になっていて狭いです。また、灯内では靴を脱がなければいけない点も注意が必要です。荷物は最小限にするとともに、靴下を持参することをおすすめします。
また隣には、灯台の歴史などを学ぶことができる資料展示室があります。
実は、この日御碕灯台はまだ現役で活躍しています。夜間に訪問してみると海上を照らす明かりが煌々とともっているそうです。
絶景・出雲松島へ
灯台の周りを歩いてみるのも良いと思います。日御碕灯台から遊歩道を北東方向に歩いていくと、数分で出雲松島にたどり着きます。
出雲松島は大小20個あまりの島が点在している、日御碕の絶景ポイントです。
激しい波に削られた荒々しい地形と日本海の絶景を眺めることが可能です。
まるで火曜サスペンス劇場ではと思うような断崖絶壁は、正直怖いようにも思います。しかし、恐怖の中にも爽快感がありました。
宮城県にある松島よりは小規模ですが、波と風の音を聞きながら断崖絶壁の遊歩道歩く体験はめったにできないので、灯台から出雲松島への道のりも楽しんでみるのもいいですね。
灯台の周辺の道なりには観光者向けの店も軒を連ねています。
海の近くならではの物産や焼きたてのつぼ焼き・イカ焼きなどのおやつグルメも楽しめます。おみやげもここで買うことができますよ。
素戔嗚尊(スサノオ)の魂が眠る隠ケ丘
日御碕灯台から日御碕神社へ向かう途中にあるのが「隠ケ丘」。ここにはもともと日御碕神社上の宮の御神体(すなわち素戔嗚尊)が祀られていたそうです。
由緒書きを読むと、ここが日御碕の元祖であったことが伺えます。
長い石段は途中から荒れた石畳になります。足元に注意して登ってください。
いまでは人が来ることも少ないようで、神域と呼ぶにふさわしい雰囲気です。日御碕に来たのであればぜひこちらにもお参りください。
日御碕のグルメといえば海鮮丼!
日御碕には海鮮丼を食べさせてくれる複数のお店があります。アワビやサザエ・ヒラマサを使った海鮮丼など、各店それぞれ特色があります。以下2020年春の情報です。
気軽に食べたいなら tatsuzawa misaki cafe
元「たつざわ商店」がおしゃれなカフェに改装されたのが数年前。ここではリーズナブルに海鮮丼がいただけます。
気楽といっても内容はしっかり。一緒についてくるのは「カジメ汁」というねばねばしたお汁で、とても特徴的で美味しいです。
tatsuzawa cafeは日御碕駐車場からすぐ。灯台に向かう途中にあります。現在はまだGoogleマップ上では「たつざわ商店」となっているので注意してください。
贅沢に楽しみたいなら花房のウニいくら丼
地元のバフンウニを贅沢につかった豪快な丼をガッツリ楽しめるのが「花房」です。
少々お値段は張りますが、お味は保証します。とくにタレが最初から丼のご飯にしみこませてあるのが特徴。このタレがうまい❗他にはないここだけの海鮮丼です😋
場所はすこし奥に入った所ですが、お店の前までクルマで入れます。駐車場も8台ほどあるので安心です。ぜひ行ってみてください。
日本の夜を守る神社、日御碕神社
『出雲国風土記』にも記される神社
日御碕灯台まで来たので近くにある日御碕神社にも足を伸ばしてみました。出雲というと出雲大社だけと思っていたのですが、この日御碕神社が出雲大社と全く違う造りをしているため見応えがあります。
日御碕神社は『出雲国風土記』にも記される由緒正しき神社です。天照大神を祀る下の宮と、素戔嗚尊を祀る上の宮をあわせて日御碕神社と呼びます。参拝する際は必ず両方のお社をお参りしましょう。
日本の夜を守る日沉宮(ひしずみのみや)
天照大神が祭られている下の宮は、別名「日沉宮(ひしずみのみや)」と呼ばれています。これは伊勢神宮が日本の昼を守る神社であるのに対し、日御碕神社が日本の夜を守る神社という考え方に基づいているそうです。日本の夜を守る神様を前にすると厳かな気持ちになり、自然と身が引き締まりました。
日御碕神社は、朱を主とした色合いの建物になっており、出雲大社とは雰囲気が違い、楽しむことができました。まるで日光東照宮に行っているような感覚を味わうことができます。朱色は日御碕の絶景を生み出す夕日を連想させる色であり、この地を守る神社にふさわしい配色だと感じました。
ウミネコの島・経島
日御碕神社まで足を伸ばしたなら、ぜひ経島にもお寄りください。
日御碕神社の本殿の裏を抜けて海に出てみると、大きな大きな岩でできた島が見えてきます。これがウミネコの繁殖地として国の天然記念物に指定されている「経島」です。
よく見ると鳥居が見えます。経島は日御碕神社の神域であり禁足地でもあります。元々はここに下の宮があったのだとか。
春先にはウミネコで島が埋め尽くされるような景色を見ることができますよ。
日御碕灯台へのアクセス・駐車場
日御碕灯台へは、出雲大社より沿岸沿いに車で20分程度で行くことが可能です。車で行く場合は日御碕県営駐車場を利用しましょう。駐車料金は無料です。ただし、日御碕へ行く道は狭く急カーブがたくさんあるため、スピードの出しすぎには注意してください。運転技術に自信がない場合は公共交通機関の利用をおすすめします。
公共交通機関はバスを利用してください。JR出雲市駅、一畑電鉄出雲大社駅前、出雲大社、稲佐の浜など、主要駅や周辺の観光地にあるバス停から乗車することができます。
バスの本数は約1時間に1本です。乗り逃がすことがないように、行き帰りの時刻を調べてから乗車・観光をするとよいでしょう。時刻表は一畑バスのホームページをチェックしてみてください。
営業時間は、9時から16時30分までとなっています。年末の12月30日、31日は定休日となっています。夜間などに向かうと鹿などが出てくるので注意が必要です。日御碕神社は、日御碕灯台と同じ方向で向こうことが可能です。
- 住所:島根県 出雲市 大社町日御碕 1478
- 電話:0853-54-5341
美保関もおすすめします
この記事では日御碕を紹介しました。おなじ出雲地域には「美保関灯台」という山陰で最古の(日御碕灯台と同様に「世界灯台100選」にも選ばれた)灯台があります。
この日御碕灯台を訪れたからには、きっと出雲大社にも参られたことでしょう。昔は出雲大社と、美保関にある美保神社、両方の神様にお参りしないと「片参り」と言われたのだそうです。
日御碕をおとずれたなら、ぜひ美保関も訪れてみてください。