島根県出雲市の空き家対策団体とその取り組みのまとめ
ブログ主のわたしは「空き家」問題にとても関心があります。ブログを書いているなかで、島根県および出雲市の空き家対策のいくつかの団体にお話を伺ったので、まとめを記しておきます。
空き家の状況
島根県の空き家の数は年々増加する一方。
- 平成20年:44200件
- 平成25年:44800件
- 平成30年:47700件
これは総務省の住宅・土地統計調査による数字。増加のペースもあがっており、空き家対策は急務であると言えそうです。
相続や近隣住民への影響・治安悪化など、空き家が引き起こす問題は様々。空き家所有者だけの問題ではないわけです。空き家についての「総合相談窓口」が必要な理由はここにあります。
行政・公益法人
いずも空き家バンク
いずも空き家バンクは、基本的に空き家の所有者の方々が「能動的」に登録することで情報が掲載されていく仕組みです。物件は所有者の方からの申し出によるものですが、居住者が亡くなられた場合などに出雲市役所から制度を紹介して登録される場合などもあるそうです。サイト掲載を取りやめにした物件などは取次ぎはしてくれません。
しまねの空き家相談(島根県建築住宅センター)
島根県内の空き家に関する相談を受付けるサイトです。所有者による相談、近隣住民による相談、境界・修理・苦情などの相談に関して、助言やアドバイス・情報提供を行う、といった活動をされています。
「しまねの空き家相談」は「島根県空き家管理等基盤強化推進協議会」による事業です。ただ現実的には「推進協議会」は活発には活動していないとのこと。
ちなみに、電話でお話を伺った際にお役所的な対応が感じられたのは少々残念。物件案内サイトもクローズしてしまったし、島根県としてはこの領域にあまり力を入れていないのかも?と感じてしまいました。
NPO法⼈
出雲市空き家相談センター
不動産業者などの民間業者と行政との中間が出雲空き家相談センターの立ち位置で、弁護士・司法書士・行政書士・土地家屋調査士や宅建士・建築士などの専門家を交え、空き家に関する諸問題に対応できるセンターを目指しているそうです。
順次一つ一つの相談を受け付けている状況で、現段階の活動としては、空き家問題の啓発・発生抑止の方に軸足を置いている状況。また、市が運営する空き家バンクへの掲載は要件が整理されている必要があるため、その前段階の相談に乗っている状況であるということでした。
相談を受け付けた案件のうち、物件の売却や賃貸等を希望される場合、それらの物件となる前の整理等が必要である場合がほとんど。これらの整理に助言を行うことがセンターの役割と考えているそうです。売り物件や賃貸物件ととなり得る場合は、空き家バンクを紹介したり、不動産業者の方に依頼する事としています、とのこと。
なお、空き家相談センターへの相談には費用はかかりません。また、UIターンなど相談は受付しますが、これは行政の方がノウハウや実際の施策を持っていますので、出雲市の窓口を紹介することとしています…というお話でした。
こちらの団体、問い合わせた際とても丁寧にメールでお返事をくれたのが好印象でした。
ひらた空き家再⽣舎
2018年に生まれたNPOです。こちらについては別の記事にまとめました。
ひらた空き家再⽣舎はいまのところ出雲では最も活発な民間NPOではないかと思います。活動に注目です。
終わりに
調べていく中で、まだまだ空き家対策には民間の力が足りていないなと感じました。
冒頭に書いたように、空き家の数は今後も増加する一方だと考えられます。ということはビジネスとして見てもある種の成長分野だと捉えることもできるのではないでしょうか。
NPOに限らず、行政だけに任せっきりにしない空き家対策が重要となりそうです。当ブログでも島根県や出雲市の空き家問題は今後もフォローしていきたいと思います。