複業のすすめ
めっきり冷え込んでまいりました。師走です。もう2022年も終わりなんですね。早いですね。
30代終盤あたりから歳を取る速度が増した気がします。なんとなく生きているとあっというまに年寄りになっちゃいそう。
人生の密度を上げていきたいものです。
今回の記事は、複業がおすすめですよ〜!というお話となります。そう、人生の密度を上げるためにも!
今回は 山陰 Advent Calendar 2022 の2日目の記事となっております。
働き方の変化
平均的な賃金労働者は通常1つの会社のみに所属しています。
平日は朝出勤してオフィスで会社の仕事をし、夜になれば家に戻ってくる。土日は休んでプライベートに使う。
…こういった働き方が一般的でしょう。
これは、定年までその会社で働き通す(≒会社にライフプランを依存する)終身雇用と退職金を前提とした仕組みです。
この働き方に近年変化が生まれつつあります。それが副業の推進です。
終身雇用に問題があるというよりは、世の中全体の流れがこの働き方に合わなくなってきたというのが実情かとは思いますが…。
(個人的には終身雇用は悪いものではないと思います。安定社会を形成する1つの解とも思います。)
副業ではなく複業
最近「山陰ノーコード広場」というコミュニティで、「働き方マルシェ」というテーマのイベントを連続開催しています。
これは、複業という生き方があるんですよ、こんな働き方をしているんですよ、というお話を経験者に語ってもらうという趣旨のイベントです。
毎回20名近くの聴衆の集まる人気のコンテンツとなっており、この分野への注目度が伺われます。
ところで、「副業」ではなく「複業」という単語をあえて使っていることに気づかれたでしょうか?
副業 … 自分のスキルや時間を切り売り。主にお金稼ぎが目的となる。
複業 … 自分を代表とした事業を作る。自己実現・スキルアップにも繋がる。
この界隈では、このように言葉の使い分けをしています。
副業も悪くはないのですが、おすすめしたいのはもちろん複業です。
複業のメリット
複業をするとどんな良いことがあるのでしょうか?
- 責任ある仕事ができる
- 人脈ができる
- 本業との両立がやりやすい
- ストレスが少ない
責任ある仕事ができる
基本的に「自分の担当範囲に切り取られた一部・一面的な仕事をこなす」のが会社員の役目。
すでに会社内で事業責任者や執行役員などの立場に立っているのなら話は別ですが…平社員が「会社の歯車」であることは否めないでしょう。
複業では自分が社長であり責任者です。自分がすべてを采配してビジネスをすることになります。
この経験によるスキルアップ・視座の向上には無視できない価値があります。
会社員として働いているだけでは得られない経験を積むことができるのが複業なのです。
人脈ができる
会社で毎日働いていると、基本的には同僚や取引先とだけやり取りをすることになります。
誰か(上司など)が決めた相手とだけ付き合うことになるわけですね。
しかし複業では、会う相手は自分で決めます。会いたくない相手と会う必要はありません。
しかも「会社」というゲタを履いた肩書ではなく、個人の名前で会うことになります。
会社を辞めたとたんに連絡がつかなくなるような儚い『人脈』ではなく、本物の人脈が得られるのが複業です。
本業との両立がやりやすい
会社での仕事内容を好き勝手に自分で決めている人は少ないでしょう。多くは上司からの指示に従って作業をしているものだと思います。
上司から仕事を無茶振りされた経験はありませんか?そんなときは泣く泣く残業することにもなりますよね。
もし副業でこんな状況に陥ったら…。想像するだけでもおそろしいと思いませんか?
本業ありきでやっているわけですから、本業に悪影響を出すわけにはいきませんよね(それでは本末転倒です)。
複業であれば、自分の仕事量は自分でコントロールできますから、この問題が発生しづらくなるわけです(ゼロになるとは申しませんが)。
副業ではなく複業をおすすめしたい大きな理由です。
ストレスが少ない
これは上記3つの要素の帰結としてという面もありますが、自分ですべてをコントロールする複業は、仕事の上でのストレスを感じることが少なくなります。
人間がもっともパフォーマンスを発揮できる状況は「自由」かつ「遊び」です。ぜひ遊ぶように仕事をしましょう。仕事を人生最大の遊びにしましょう。それができるのが複業です。
また、本業ありきということは、もし複業でミスをしても食いっぱぐれることは無いということです。これもストレスの低減につながっています。
…かといって、遊び半分で適当な仕事をしていると痛い目を見ることになりますよ!
あなたの個人名で人脈を築いていることをお忘れなく。信頼を欠けば、仕事だけではなくすべてを失うことになるでしょう。
複業のはじめかた
はじめかたは人それぞれだと思いますが、前述した「働き方マルシェ」イベントでわたし自身が学んだことのまとめをここでは書かせていただきます。
家族や会社に応援してもらう
まず、第一義に収入・お金を稼ぐことを目標とするのは当然だとは思います。
しかし「お金!お金!」ばかりでは周囲の理解を得づらい。理解されない事業は持続可能ではありません。
この点で、社会的意義・公益性を盛り込んだ事業は家族や会社に理解してもらいやすくなります。
ぜひ社会貢献要素を事業に組み込むようにしてください。
家族や本業を第一にすること
とくに時間の使い方に注意してください。
稼働時間をコントロールすること。週末を仕事で潰すといったことのないように。
本業や家族ありきの複業だということを忘れないでくださいね。
自己投資(スクールや学習など)を行う
多少のお金をかけてでも、ぜひ各種のスクールへ通ったりセミナーに参加するなどしてください。
自己投資はとてもリターンの高い投資です。もしかすると株式投資よりもリターンは高いかも?
時間を確保する
経験者の皆さんがこぞっておっしゃるのは「暇つぶしをやめる」ということです。
目的なく「SNSを見る」「ゲームをする」「YouTubeをみる」「漫画を読む」…。これをやめることでかなりの時間を捻出することができます。
「遊ぶように仕事をする」「仕事を人生最大の遊びにする」ことで、複業が楽しみになっていきますよ。
情報発信する
まずは家族へ発信しましょう。複業をはじめたいという意思を伝えるということ。家族の理解を得ることがまず最重要だからです。
つぎは友人や知人に。宣言することで自分を追い込むという側面もありますが、知人経由で仕事が舞い込むのは非常によくあるパターンです。
SNSやブログなどで発信をするのも有効かもしれませんが、目的をもって発信をするのが良いでしょう。
会社の就業規則や確定申告について調べる
あとから気づくよりは、あらかじめ把握しておいたほうが気が楽です。
なるべく早いうちに計画を立てるようにしてください。
まとめ
この記事では「副業と複業の違い」を明確にし、「複業のメリット」と「複業のはじめかた」を解説してみました。
とくに個人的に重要だと考えるのは、家族や会社に応援してもらうため社会的意義を事業内容に盛り込むということです。
遊ぶように仕事をし、仕事を人生最大の遊びにするには、実はこのことが非常に重要なのではないでしょうか。
もう1つ、複業をする上では仲間をつくることを意識してもらえればと思います。とかく個人事業は孤独になりがち。コミュニティの場に足を伸ばす価値は高いと思います。
この記事で紹介した「山陰ノーコード広場」は、フリーランスやスモールワーカーの集う場作りを行っています。ぜひ一度ご参加ください。
企業経営者のみなさんへ
近年、経済産業省は「多様で柔軟な働き方」を推進し始めました。厚生労働省も「副業・兼業のガイドライン」を作成し、実際的にこの分野の普及に乗り出しています。
これは一体なぜでしょうか?
この記事で述べているのは、実は会社サイドとしても大きなメリットがある話なのです。
労働力人口が減少するなか、社員のスキル育成は会社にとって至上命題です。社員の側もまたスキルアップできる環境を会社に求めています。
今こそ社員に複業(副業ではなく)を推奨しましょう。社員の通常業務では得られない視座とスキルを、会社の事業に活かしてもらいましょう。
終身雇用が終わりを告げたことで、社員を飼い殺しにする会社は選択肢から外される時代となりました。
賢明な経営者はすでに舵を切っております。次はあなたの会社の番ですよ!