「空き家テック」の背景。目的は「主役の現場を支える」こと。活かせる技術の力とは?

2022年2月1日地域活動

『出雲国の空き家テック(いずものくにのあきやてっく)』はじめました。

なぜ「出雲で暮らす」はこんなコミュニティ(活動・イベント)をスタートしたのか?

この記事では主に「テック」の意図について書いています。

たしかに存在する空き家対策の現場活動

空き家でなにかをしたい・空き家に住んでみたい。そんな人は意外とたくさんおられるようです。

そんな人でもまず行うのはネット検索。

すると真っ先に出てくるのは行政の空き家バンクや民間の不動産サイトですよね。

ところが空き家バンクにも不動産サイトにも、物件としてはほんのわずかしか出てきません。

空き家は一体どこに…?

見えづらい空き家対策

空き家に対して行動を起こしている個人や団体は少なからず存在します。

この半年ほど、島根県東部地域であちらこちらと話を聞いてまわり、そのことが少しずつわかってきました。

解体体験会(発酵文化研究所)
解体体験会(発酵文化研究所)

空き家対策・空き家活用の現場はたしかに存在する。

けれど、それが可視化されていないのです。

手弁当の現場活動

地方の空き家は単価が低く手間がかかることもあり、一般の不動産業で採算の合う仕事ではありません。

おのずと空き家対策や空き家活用の現場のほとんどは「本業があっての手弁当」となります。

空き家清掃の取り組み(ひらた空き家再生舎)
空き家清掃の取り組み(ひらた空き家再生舎)

空き家対策の現場活動は、地域の人と人との信頼関係で成り立つもの。

こういった活動は、手間暇のかかる「対面」の「手作業」で成立しているのが現実です。

地域の現場活動がもっとも大切

空き家活用の最初の一歩は、地域(おそらく半径5〜10キロ程度が目安)の「まちづくり」「地域活動」がメインとなります。

具体的には、地域での人間関係づくり・地域資源の発掘・空き家の掘り起こし・空き家の管理・メンテナンス、といった内容です。

まちづくりの実践(マツエイエムスビ)
まちづくりの実践(マツエイエムスビ)

これは地域ごとにやりかたが全く違うことが大きなポイントとなります。

地域ごとに空き家活用団体が必要となる理由もここにあります。

この現場の地域活動を可視化し、現場の活動を支える。

すなわち空き家対策をテクノロジーの力で支援すること。

たとえばIoTやAIなどを使った監視や自動化の技術も使えるかも知れません。

これこそが是非みんなでアイデアを出し合って考えていきたいポイントです。

横軸・縦軸ネットワークの必要性

地域の現場の活動が重要であることは明らかです。

活動のお話をさらに伺っていくと「他の空き家対策活動の存在に気づいていない」「地域内活動に手一杯でユーザーへの広報に手が回らない」といった側面も見えてきました。

空き家清掃の取り組み(伊野地区)
空き家清掃の取り組み(伊野地区)

横軸として「空き家対策活動団体を結んだネットワーク」が必要のように感じます。

ユーザー・活動団体・地主さん・地域、という縦軸のつながりを育てていくことも大切でしょう。

物理的な距離を越えることができるのはテクノロジーの特徴です。

物量を拡大する(「スケールする」ともいいます)のもまた技術の得意とする領域です。

ここもみんなでアイデアを出し合うことができたら嬉しいです。

「出雲国の空き家テック」の目的

「現代的で快適な暮らし」と「美しくノスタルジックな地域のまちづくり」は両立できると信じています。

そのためには様々な意味での「技術」が大事。…という想いからこのコミュニティを立ち上げました。

主役は地域。主役は現場。

このスタンスを原則としながら、最前線の現場の活動をテクノロジーの力で支える。

そんなことができればいいなと思っています。